世界を牽引する人材の育成「教育改革」
本学の目指す「教育の国際化」は、留学生の拡大や授業の英語化にとどまりません。本学が研究のみならず教育においても、国際社会におけるプレスティッジを獲得し「ぜひ名古屋大学で学びたい」と、国内外の多くの優秀な学生を惹きつけるだけのレベルの高い教育を展開すること、これが、本学の目指す「教育改革」の究極目標です。
この目標を成し遂げるために、本学の「教育改革」は2本の柱から構成されます。第一に、教育システムの国際通用性を高めます。すでにGPAは本学でも導入されていますが、これをさらに見なおし、6段階評価に移行します。クオーター制をベースとした柔軟な学年暦を導入し、学生が無理なく海外留学を行えるようにします。カリキュラムを体系化・構造化するとともに、コースナンバリングシステムを導入して、本学が提供している科目が、カリキュラム全体のどこに位置づけられるのかを可視化し、海外大学との単位互換が円滑に行えるようにします。シラバスの日英併記化を進め、本学の教育内容を国際発信します。こうした施策を通じて、本学の教育を国際的観点からも可視的なものにし、その国際通用性をより高める制度的基礎を築きます。
本学の「教育改革」の第二の柱は、教育内容を国際的評価に耐えられるものに高度化することです。第一の柱で実現する教育システムを活用して、教養教育院、各学部、各研究科で教育内容の見直しと改革を進めます。具体的には、世界に通用する「国際標準のリベラルアーツ教育」、大学院教養教育の充実、大学院科目の大幅な英語化、学生の自主的学習を促進する教育プログラム等々を実現します。これらにより、名古屋大学で教育を受けた学生諸君が、国際世界を舞台に活躍し、人類社会に貢献できる能力と態度を身につけることを目指します。
アクションプラン[教育改革](2015-2017)
- 教育システムの国際通用牲を高めるための取組
- ・全授業科目へのナンバリング付与→2015年度中に完了
- ・大学院授業シラパスの日英併記化→2016年度から実施
シラバスの日英併記化のためのテンプレートを作成中
- ・クオーター制をベースにした柔軟な学事暦の導入
2015年度制度設計→2017年度に実施へ
- 教育内容の国際通用性を高めるための取組
- ・Young Leaders Cultivation (YLC)の独自研究支援
- ・国際レベルのリベラルアーツ教育の根幹をなす基礎セミナーの改革
・コモンベーシックの再確認と教材提供
・リーディングリストの開発
- ・アカデミック・ライティング教育の強化
- ・大学院教養教育の体系化と充実
「Academic writingと研究の倫理」を新たに開講(2015)
研究倫理・科学技術倫理系科目の新設
- ・各部局におけるカリキュラムの見なおしと単位の実質化の一層の推進
アクションプラン[教育改革](2018-2020)
教育システムの国際通用牲を高めるための取組
・成績評価のあり方の国際標準化の推進
・大学院の成績評価方法の全学的統一化
・成績表等の日英表記化、海外からの成績証明書等申請・発行手続きの簡略化
→2018年度に実施へ
・学部・研究科をまたいで検索可能なシラバス
・外国人教職員の増加
・講義を演習型科目と組み合わせる授業の開講数増加
留学生の多様化に対応した日本語コースの継続的拡充
・留学生の目的に合わせた日本語コースの多角化、充実化
・単位互換連携協定校の拡大
・2018年から日本語プログラムの改革開始→短期留学生に対する単位付与科目の増加
教育内容の国際通用性を高めるための取組
・講義の英語化率の向上(理工系大学院講義の50%、2020年を目処)
・日本人学生のG30講義受講促進
・学部3-4年生の英語力強化策の策定、2018年から実施
世界を牽引する人材の育成「国際交流」
本学では、留学生の受け入れ拡大、国際的な教育の充実、学生の海外派遣拡大等を一体的に進めるため、2015年度にこれまでの国際教育交流本部を拡充させた「国際機構」を設立します。
全学的な取り組みとして、学部学生の留学を促進し、将来的には全ての学生が海外経験を積めるだけの枠組作りを目指します。まずは、初めて海外に行く学生が参加しやすいよう、海外研修と研修前後の授業を一体化し、卒業単位として認定します。協定校への学生派遣に関しては、短期と長期の留学を二段階で提供し、短期留学を経験した学生が交換留学を目指す仕組みを作ります。また、「安全・危機管理オリエンテーション」を全学的に実施し、留学する学生の包括的な支援の質を向上させます。留学生の受け入れ数は、2020年までに合計3000人を目指します。G30を中心とした英語による授業数を拡大し、英語カリキュラムの多様化を進めます。優秀な留学生獲得の戦略として、本学の魅力を前面に押し出した包括的な海外リクルート活動を展開します。さらに、交換留学受け入れ制度(NUPACE)の拡充、短期受け入れプログラムの開発等により、協定校の優秀な学生を受け入れる土台を作ります。
アクションプラン[国際交流](2015-2017)
- NU-OTI (NU Overseas Take-off Initiative、交換留学及び短期研修)
- ・海外派遣留学生数の拡大220名→400名へ【海外留学部門】
- ・短期研修プログラムの拡充と単位化(全学教養科目)
- ・IELTS及びTOEFL-iBT集中講座開催、学生の語学力向上サポート
- ・「安全・危機管理オリエンテーション」の徹底や危機管理会社(JCSOS)の活用
- ・2015年度に留学積立金制度を設立し、全学生が留学を体験するための仕組みの一環とする
- G30プログラム等、英語カリキュラムの拡充【留学生受入部門】
- ・2013年度には約100名だった学部学生数を、2017年には200名へ
- ・英語による講義数の拡大 約850科目→1000科目へ
- ・海外リクルーティングの一環として、海外オフィスや協定校を活用した公開講義の実施
- NUPACE (NU Program For Academic Exchange)等、交換留学受入プログラム
- ・海外の協定校からの単位取得をともなう学生の受入 約300人→400人へ
- ・学内外からの問い合わせ・学生相談への対応【NUPACE Office】
- NUSTEP (NU Short Term Japanese Language Program、短期受入プログラム)
- 受入留学生に関する種々の制度改革・改善【教育交流部門】
- 留学生向けのオリエンテーションや各種ハンドブックの企画・運営、内容の改善
- 国際学生寮等における共修体制の整備【アドバイジング部門】
- 学生の宗教、信条、生活習慣や食事等の多様性への配慮、学生や家族支援における地域連携の充実
- 外国人留学生・海外留学生キャリア支援の取組み【キャリア支援部門】
- キャンパスや教育の国際化を目指したFD・SDの実施【国際機構と高等教育研究センターの連携】
アクションプラン[国際交流](2018-2020)
交換留学及び短期研修
・海外派遣留学生数を2020年までに1000名へ拡大
・研修希望者の需要に合わせたプログラムの設置
G30プログラム等、英語カリキュラムの拡充
・学部学生数を2019年には270名へ
・海外学生リクルート活動の一環としての海外オフィスや協定校を活用した留学説明会および本学教員による模擬講義「名大巡講」の充実
・日本人と外国人が共に英語で学べる環境整備→日本人学生の国際プログラムへの参加促進
受入留学生に関する種々の制度改革・改善
・留学生宿舎の整備による留学生受け入れ体制強化(新宿舎2019年完成予定)
・留学生の混住型の宿舎→多文化共生コミュニティの構築
・国際化をサポートする留学生やバイリンガル人材の計画的な採用
留学生向けのオリエンテーションや各種ハンドブックの企画・運営、内容の改善
・学内情報の英文化
・留学生支援システムの充実
留学生の増加に伴う様々な問題(病気、精神的困難、未履修、適応障害、生活費など)に対応する専任職員の増加
外国人留学生・海外留学生キャリア支援の取組み
教職員、留学生、元留学生間で情報提供・意見交換ができるサイト運営の充実
キャンパスや教育の国際化を目指す教員向け支援
英語による授業経験の少ない教員向けの英語による教授法等のセミナーを開催