本学の目指す「教育の国際化」は、留学生の拡大や授業の英語化にとどまりません。本学が研究のみならず教育においても、国際社会におけるプレスティッジを獲得し「ぜひ名古屋大学で学びたい」と、国内外の多くの優秀な学生を惹きつけるだけのレベルの高い教育を展開すること、これが、本学の目指す「教育改革」の究極目標です。
この目標を成し遂げるために、本学の「教育改革」は2本の柱から構成されます。第一に、教育システムの国際通用性を高めます。すでにGPAは本学でも導入されていますが、これをさらに見なおし、6段階評価に移行します。クオーター制をベースとした柔軟な学年暦を導入し、学生が無理なく海外留学を行えるようにします。カリキュラムを体系化・構造化するとともに、コースナンバリングシステムを導入して、本学が提供している科目が、カリキュラム全体のどこに位置づけられるのかを可視化し、海外大学との単位互換が円滑に行えるようにします。シラバスの日英併記化を進め、本学の教育内容を国際発信します。こうした施策を通じて、本学の教育を国際的観点からも可視的なものにし、その国際通用性をより高める制度的基礎を築きます。
本学の「教育改革」の第二の柱は、教育内容を国際的評価に耐えられるものに高度化することです。第一の柱で実現する教育システムを活用して、教養教育院、各学部、各研究科で教育内容の見直しと改革を進めます。具体的には、世界に通用する「国際標準のリベラルアーツ教育」、大学院教養教育の充実、大学院科目の大幅な英語化、学生の自主的学習を促進する教育プログラム等々を実現します。これらにより、名古屋大学で教育を受けた学生諸君が、国際世界を舞台に活躍し、人類社会に貢献できる能力と態度を身につけることを目指します。